下刈りについて

協力隊活動

これは今回初めて下刈りとしっかりと向き合う事が出来た現場でのお話です。

始まり

そもそも今回の現場への参加経緯ですが、これは7月にそのOBの方から「下刈り現場を受けてみようと思っているんだけれど、その場合は応援とかこれる?」と個別で依頼を受けたところから始まります。その後改めて協力隊ミーティングとかそういった正式な場面でその方が協力隊が参加してくれるならば受けてみたい現場が有りますと発言されまして、そこに私が乗っかった形で始まりました。

そこで提示された条件は

・現場は約2haの土地。早く終われば更に追加でこれも約2ha位の隣接する土地をやります。

・日程は2週間程度を計画。人工としては15人工位。

・サマータイムで行うので早朝開始、昼過ぎ終了。

・駐車場から歩いて20分位の場所。歩いていくにはけっこう大変かも。他にも道はあるらしいが遠回りであまり使いたくない。

概ねでこういった内容を実際の図面や地図を交えながら説明いただきました。

服装について

一応下刈り時の服装について、ここで紹介したいと思います。

・ヘルメット(イヤーマフ、フェイスガード付)←チェーンソー作業時に被るタイプの物

・薄手の長袖シャツ

・防振手袋

・チェーンソーパンツ

・チェーンソーブーツ

といった服装になります。

そして2日目以降はこれに空調服も追加するといった感じです。

刈払機を使う際はチェーンソーパンツを穿く必要は無いのですが、穿いている理由としては単純に他に作業で穿けるパンツが無いから、これにつきます🤣

作業外の時に穿くパンツは勿論あるのですが、生地が薄いので引っかかったりしたら簡単に破けたりしますので、穿きたくないんですよね。だから多少重くて動きにくいところがあっても私はチェーンソーパンツを穿いています。ただ、チェーンソーパンツだって決して安いものではないので、早いところ納得いくパンツを買って変えようかとは考えています。

また、靴についてはスパイクが付いた地下足袋を履く方が多いと思われます。実際その方が滑り難さや作業のし易さという点では優れていると私も思います。ただ、その中で何故私がチェーンソーブーツを選んでいるかというと、これについては安全性も一応考えています。なるほど地下足袋は確かに運動性能に優れていると思います。今は足先を補強されたものもあるので、安全性も以前より上がっています。ただ、足全体を守るという点においては、布で出来た地下足袋よりも革製のブーツの方が優れていますので、多少の運動性能を犠牲にしても私はブーツを履くようにしています。

趣味でバイクに乗っている事も他の人よりブーツを履く事に対する抵抗感をなくしているんでしょうね。

作業開始

そうやって迎えた作業初日。先輩車両の案内で活動拠点から現場へ車で移動します。そして駐車場所へ車両を止めて準備をし終えたら改めてミーティング。駐車場から目安となる場所を示されたんですが、地図で見るよりもなかなか遠くに見えますし、事前に言われた通りに結構山登りをしそうだなというのが最初の印象です。

そして荷物を担いでいよいよ移動開始ですが、歩き始めて早々に結構やばい現場だなと思いました。というのも現場に通づる道自体が本当に人が踏み固めただけの様な細い道で、なんなら場所によっては道が藪に埋まっていて不明瞭な箇所もありました。実際に後日一人で山を下りている最中に道がわからなくなって、30分位ウロウロするという事態にもなりました😑

必死に山登りを続ける事約15分位でしょうか、それまでは木立の中を歩いていたのですが、林縁部を抜けて頭上に空が広がる場所まで出てきました。そこで先輩が一言「ここらで一旦休憩しよう」

確かに刈払機だったり飲料だったりと荷物の総重量は20kgを超える位の重さがあり、正直こんな足場が悪く傾斜のキツイ場所だと想像しておらずに心の準備が不十分だったので、私もちょっと疲れていたのでそこは即答で同意です(笑)。そして先輩の話ではどうやらこの場所は目的地までだいたい半分くらいの場所との話ですが、半分の距離でこんだけしんどいのかって気持ちは結構ありました😅

とは言えここまで来た以上引き返す訳にもいかないですし、仕事ですからやらない訳にもいかないので、少し休んで息を整えたら山登り再開です。

そして個人的にはここからの道のが、今までの木立の中を進むよりももっと厳しかったです😂斜面はもっと厳しくなるし、場所によっては這っていかないと登れない様な斜面もあり、本当にもう下刈りじゃなくて山登りに来ているような気分でした。

そんなこんなでやっとの思いで目印になっている樅の木までたどり着きましたが、まぁ本当にやっとの思いですよ(笑)。着いた時点で正直もう満足といった気分で、何ならもう下山してもいい気分です。

しかし自分は山登りに来たんじゃなくて下刈りに来たんです、ここで帰る訳にはいきません。とは言え、同行の先輩も入院からの病み上がりで体力が落ちていた事もあり既に疲れていたので、もうここはお互い何も言わずにしっかり休んで仕事へと取り掛かるようにしました。

そしていよいよ下刈りの現場と向き合う訳ですが、雑草が伸び放題で自分の背丈(174cm)よりも成長しているような藪が相手で、そこでまた面食らうというかたじろぐというかげんなりというか、そんな色々な感情が入り混じった気分になります。おまけに足場は35°~40°はあろうかという急斜面なところににプラスして、刈った雑草の朝露でめっちゃ滑るといった状況(この時の自分の靴はチェーンソーブーツ)で、下刈り経験が浅い自分にはまぁ本当にとんでもない現場に来てしまったなぁというのが改めての本音でもあります😲

ただ、この頃には疲れも多少抜けてきてメンタル的にも覚悟が出てきており、やるしかないという気持ちになっていたので、ある意味これは余裕が出てきたとも言えますね。

そこからは足場の悪さや樹間の狭さに心中で多少毒づきつつ、自分の周りを常に飛び回る1匹の虻にイライラしつつ(結局この虻には下刈り中ずーっと絡まれました)、時折休憩を挟みながら作業を行いました。

そして1日目の作業をなんとか終えて、休憩しながらOBとこの現場についての話を色々して(さっきの足場や虻の話、進行具合等)、今度は同じ荷物を担いで下山します。登りもしんどかったですが、下りも大変でした。唯でさえ体力が無くなっているところに、急勾配の初めての山道を重い荷物を担いで下るんですから足元はおぼつかないですし、何度も躓いたり滑りながら降りてく感じです。

こんな感じで初日を終えました。

そして初日の出来事を踏まえて2日目以降に変更したところは空調服と着る事にした事、持参する水分を600ml追加して計3.2Lにした事です。

初日以降の話

基本的にはこの現場はOBと私の二人体制でやっていたのですが、2回ほど6月に協力隊へ入隊したばかりの方が応援に来ました。

彼はこの3人の中で一番最年少なので(とは言っても30代半ばですが)、動きが身軽でさすがだなーなんて気持ちで見ていたのですが、動きとは裏腹に内心は大変だったようで、2回目が終わった時に「きついのでこれ以降はちょっと来れないです・・・」って言われちゃいました😔

ただ、彼の気持ちもわかります。まぁハッキリ言ってこの現場大変ですもん、マジで。

それは先の作業環境もあるのですが、それ以外の要因も勿論あります。それは生き物の問題です。

彼が2回目来た日なのですが、いつも通り刈払機を扱っていると何かに『ゴツン』と当たったんですね。叢の中に以前間伐(皆伐)した材が放置されているのは珍しい事ではないですし、この現場でもまぁちょくちょくあったので気にしていなかったのですが、今回は訳が違いました。

何が違ったのかというと、なんとそこが蜂の巣になっていたのです😱

あれ?と思った時には時既に遅し、蜂の群れが現れて連続でチクチク刺されました。

察すると同時に現場からは逃げる様に斜面を下りていき、取り敢えずは蜂に追われないところまで行きましたが、腕がもう痛いのなんのってやつです。ただ、蜂に対する処置を知らないですし、道具も持ち合わせていないので、もうとにかくその場で休むのみしか出来ませんでした。そうこうしていても痛みは全然引かないし、むしろ腕や手がどんどん浮腫んできているしこれはやばいなーって自分の腕を眺めていました。

その後OBと新人に連絡がついたので事情を説明しましたが、全員蜂刺されに知識もなければ道具を殆ど持ち合わせていなかったので(新人が虫刺されの塗り薬は持っていたので、それは貰いました!有難う😊)、取り敢えずそのまま気を付けて仕事再開の流れです。私も出来る範囲で再開しました。

なお、その日は新人さんが蜂に刺されたり、まむしが出てきたりといったトラブルに見舞われました。

そういった出来事の重なりで、先程の新人さんの発言に繋がったんですね。

以上、こんな感じで現場を行っていました。

感想

そんな訳で初めてしっかり入った下刈りの現場が終わった感想というか、課題というかそういうのをつらつら書いていきたいと思います

≪課題≫

・往来に使う道が藪に埋もれていたり、道がよくわからない。

これは私が道に迷ったという実例を踏まえてなんですが、往来に使う道の下刈りとか出来ないんでしょうかね。

・往来を極力楽にする。歩く距離も荷物も。

先ず現場の近くまで楽に行く方法については、林道ないし作業道があれば可能です。しかし、皆伐再造林された現場が全てが全てそうある状況ではなく、今回みたいに架線集材で皆伐された可能性の有る場所は作業道すらなく、徒歩での移動が中心になります。そういった時に如何に人や移動の荷物を楽に行うかが課題ですね。まぁドローンで荷物を運び、人は徒歩で移動するって方法が現状一番楽な手段なのかもしれないです。

・蜂刺され対策を行う。

怪我については救急キット的な物を所持はしていたのですが、蜂についての知識も道具も一切なく今回の現場に当たっていたところで、蜂に刺されるという状況に陥りました。完全に見くびっており、慢心としか言いようのないミスです。なので、今回の出来事を機に個人的にポイズンリムーバーを購入し、併せて蜂に刺された場合の対策を頭に入れるだけではなく、スマホのメモに入れるようにしました。

あとはサッカーでいうところのシンガード、つまりは脛当てですね。そんなやつもあれば足回りの怪我をし難くなるんじゃないかと感じました。動き難さも当然出てくると思いますが、そこはまぁ実際に着けてみての折り合いでしょうかね。

≪感想≫

以上が今回特に感じたところになります。

他にも細かいところを挙げればキリがないですが(笑)、改善できるところは改善して、楽を出来るところは極力楽をしていかないと、この先この仕事で稼ぐという事が難しいと思うので、大きい物から小さいものまで課題を少しずつ解決しながら業務に当たっていこうと考えています。

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