樹木医養成(入門編)プログラムに参加してきました!

協力隊活動
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先日林業大学校で3日間開催された樹木医養成(入門編)プログラムに参加してきました。

こう書くと、もしかしたらこのプログラムを終了すれば樹木医になる事が出来るのではないかと思われてしまう方がいるやもしれませんが、決してそんな事はありません(笑)。あくまで樹木医とはどういったものなのかを知るといった内容です。樹木医になるには試験に合格するだけではなく、数年間の実務経験も必要になりますのでね。

さて、それでは3日間どういった内容で進んだのかをご紹介します。

1日目の午前中は講師の自己紹介や樹木医試験についてのお話、樹木の生理生態についての講義を行い、その後は予め用意されていた『観察シート』を用いて樹木の観察を行いました。この観察シートというのは葉っぱや幹、枝や根回りなんかにある特徴がイラスト付きで描かれており、それを実際に調べてチェックしていくといったものです。そして最後に講師と一緒に回って、その特徴がどういったものなのかを説明してもらうといった内容でした。

そして午後はもっと範囲を広げて、林業大学校の敷地内を講師の人と歩きながら様々な樹木を図鑑片手に名前とその品種の特徴を調べたり教えてもらい、タグを付けて回収をするといった内容を行いました。この講義の内容自体は面白かったのですが、いかんせん講師のテンポが速すぎて最終的には調べる時間もタグ付の時間も殆どなかったので、今後はもう少しその部分を改善してほしいなとは感じました。

2日目の午前中は班毎に分かれてそれぞれに割り当てられた樹木を、樹木医の方が実際に使用している診断書の簡素化したものを使用して、実際に診断書を作成するという作業を行いました。そして午後はそれを各班毎に発表し、講師陣が感想を述べるという流れでした。

最終日となる3日目は樹木医の実際の現場を見てみようという事で、高知市にある牧野植物園で樹木医として活躍していた藤井氏が講師を務めた終日研修を行いました。(『していた』というのも、今は樹木医ではなく別の部署?で活動されているそうです)

午前中は座学の様な感じで、先ず牧野博士の紹介から始まり、牧野植物園の造成工事の模様や敷地内の構成について、そして最後は樹木医として実際の作業風景の紹介をして頂きました。

牧野博士の話についてはつい最近までNHKの連続テレビ小説でやっていた通りなのでこの場では特記すべき事はないかと思われますが、青年期よりも老年期に入った頃の方が笑顔やおどけた写真が多いと話されていた事が印象に残っています。

植物園の造成工事については基本的には植物園がある五台山のものを活用するという方針のところで、土壌の面で大変な苦労をしたという話を伺いました。

樹木医の活動としては腐朽が進んでいた樹木をどうやって回復させただけではなく、失敗したケースも含めて説明頂き大変参考になりました。樹木医的なところでは不定根誘導についての技術がそこに当たるかと思います。初めて聞く単語でしたし、現場も初めて見ましたが植物の逞しさと同時を感じました。

そしてこれは思ってもいなかったところではあるのですが、樹木の管理にアーボリストの技術を活用して剪定や手入れをしているというお話もしていただきました。これは実際に資格を取得して(確かBAT-1,2だった様な記憶)、活動されているそうです。そしてこういった手入れの作業は開園時間中に行われているので、作業中は物珍しそうに見物人の山が出来るとかどうとか(笑)。確かにあの作業は目立つし珍しいですから、気になって身に行っちゃいますよね。

そして午後は実際に園内を説明していただきながら実際の施業現場を見学するといった内容でした。牧野植物園は自身初めての来園でしたので、けっこう楽しく見て回る事が出来ました。

あとがき

この3日間参加して感じた事は、植物もまた生き物なんだなと改めて感じた事ですね。

人間も含め動物っていうのは怪我はしますが、それは自然治癒力で治りますし、そうでなければ治療をしてあげれば治るものは治ります。

ただそれは樹木(植物)も一緒で、自身の持つ自然治癒力もあれば、人間が手を加えて治す事も出来るという事です。ただ、その回復スパンが動物に比べて長い(遅い)だけって違いだけなんですよね。

後は樹木の特性を知る事は大事なんだと、これも再認識ですがしました。

これは今後の進路の話になりますが、これから只管伐倒造材以外の林業を行わないというのであればまたちょっと話は変わりますが、私自身はそれよりは造林・育林の方に進もうかと考えているので、特に認識を強くしました。

樹木の育成にはその土地の土壌も大きく影響してくるといった話や樹種によって根の張り方も違うと講義の中であり、それは私の考えと合致している(最近はそうでもないですが、今までの造林は杉・桧・松等に特化した再造林が多かった。そしてその是非は今はこの場では問いません、面倒なので)ところであるので、自分の今後の目標とするところに一つ理論の裏付を取れた気がします。

そして今回のリカレントですがどういった人が参加していたのかというと、自分の様な地域おこし協力隊の人でしたり、もう既に林業や森林に関わる現場で働いている方はもちろん、現在は林業だったり森林に関わる事はしていないですが樹木医には興味があるという一般の方といった方々が合計で20名以上参加されました。

昨年地域おこし協力隊に入隊して以降林業大学校のカリキュラムを何回も利用させてもらってますが、今回が一番女性も多く、かつ多様な人たちが参加されたカリキュラムでしたので、参加者と話をしていても一番面白かったかもしれません。

運良くヨコグラノキの花を見る事が出来ました。

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