はじめに
私が将来の取り組みの1つに考えている経木ですが、以前視察で伺ったやまとわの中村社長から「他には群馬県も盛んな地域だよ」と教えていただきました。
その時は群馬ならパートナーの実家もありますから行き易い場所だなー程度に漠然に思っていましたが、岐阜・長野の研修・視察から戻ってきた直後くらいには『鉄は熱いうちに打て』ではないですが、残りの協力隊期間から逆算をしても早く動いて損はないと考える様になり、群馬の経木製造元を調べているとHPがありインスタも開設している阿部経木店様が一番連絡を取り易そうでしたのでダメもとで連絡を取ってみると、これが大変有難い事に2つ返事で歓迎して下さったので、幾つかのやり取りを経て日程を調整して7月31日に見学をさせて頂く運びになりました。
本文
簡単に阿部経木店様の紹介をすると、所在地は現在群馬県桐生市で阿部初雄氏と息子さんの晋也氏が製材や削りの仕事を、お二人の奥様とアルバイトの方(私が行った時は1名)が仕分けや商品チェックといったバックヤードの業務を担当するという風に分担されて業務を行っておりました。
作業所内に入り簡単な挨拶をさせていただくと早速作業所内の見学が始まります。
最初に行ったのは外にある製材関係の機械が置いてあるエリアです。

経木に使用している材はアカマツになります。群馬県内にもアカマツはあるそうですが、群馬のアカマツはヤニが多く経木には向かない様で、長野から仕入れているとお話されていました。




案内は主に晋也氏にして頂きましたが、製材に使用する機械は曰く建築に使う機械と概ね同じとお話しされていました。私は建築もずぶの素人なので『そうなんだ~😮』位の感想しか出せなくて、大変申し訳ない気持ちになってしまいます・・・。

製材の際に出た余りの部分ですが、ボイラーの燃料として自分達で使うだけでなく、薪として販売したり、地域のDIY愛好家やハンドメイド愛好家に販売したりと、捨てるところなく再利用しているとお話しされていました。この辺りは以前お伺いしたやまとわさんも一緒ですが、一つ理想的な循環だと思います。
もちろん林業県である高知県・嶺北には既にこういった理想的な循環は確立されていますが、支流は幾らあっても問題ないと私は考えていますので、この中でまた一つ新たな支流を作れればと考えています。
これが私が経木をやろうと思った理由の一つになります。

因みに乾燥機は製材とは違いますが、大きすぎて中に置けないので阿部経木店では外に設置されていました。
ここまでが製材関係で屋外にある主たる設備になります。そしてこれからが屋内に移ります。


晋也氏が私たちの案内をしているので、この日は父親の初雄氏が削りの機械を操作していました。屋内には削りの機械の『ガシャンガシャン』といった音だけが響いていますが、この一定のテンポで響く音は個人的には心地よくて好きな音です。
削り出された経木は一定数溜まると取り出されてクリップ止めされます。初雄氏の一連の動きは滑らかで綺麗です。
削り出された直後の経木を触らせてもらいましたが、凄くしっとりとしていて触り心地が良く、いつまでも触っていたいそんな気持ちにさせてくれるものでした😀

刃が切れるものでなければそもそもお話にならないとの事で、刃の具合は特に注意して管理しているそうです。早ければ3~40分でダメになってしまうそうです。刃の研磨に関しては専用の機械で研磨していました。確かにそれだけ早く使えなくなってしまうのなら人力だと大変だと感じます。また人がやると研磨にどうしてもムラが出てしまうので、機械の方がムラなく早く、そして安全に出来るのでしょうね。

2階に上がるとそこは全面乾燥室になっていました。
削りをやった後は外にある乾燥機にかけて、その後はこの乾燥室で2日程度乾燥させるそうです。

乾燥が終わると品質検査と仕分けを行います。
ここでは汚れを中心に品質検査を行い、それが終わると仕分けと梱包をしている感じでした。
そして最後は初雄氏、晋也氏と経木についての話や、桐生市の地域おこし協力隊の話、そして今回は私のパートナーも同席していたので地域の話で盛り上がりました(笑)。
あとがき
以上が今回阿部経木店に見学へ行ってきた話になります。
今後どうなるかは未だ分かりませんが、今回の見学を踏まえて今度は長期の修行(研修?)も出来ればと思って、改めて相談中です。
兎にも角にも、先ずは阿部経木店の皆様、本当に有難うございました!
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