はじめに
少し前の話ですが1月に畜産インターンが有り、2月には林業のインターンが2回有りました。こういったインターンは期間の日数・日程にもよりますが参加者は社会人だけではなく大学生も来る事が有ります。因みに私が手伝いで参加したインターンでは全て学生が参加しています。
そして私は基本的に参加者全ての人と話すようにしているので彼、彼女等とも話します。
学生で参加している方の動機としては、自然が好きとか進路に迷ってとかそんな理由が多いです。私としては学生でこういうものにやって来るだけでも『大したもんだな~😲』と思うので、理由は全く気にしていません(笑)。
そしてインターン中は参加者と話す機会が大体2回あり、1つは日中の座談会や現場案内の時。1つは夜の懇親会。といった様になっています。2回とも参加する場合、日中は協力隊としての表面的な話、夜はもうちょっと深い話をする様に私は使い分けています。
そしてある程度雑談や何かを織り交ぜて話していくと、学生の参加者から「大学を卒業して協力隊に参加するのはありですか?」といった質問を受ける事が有るので、その事について自分の考えを述べたいと思います。そしてこれは実際に質問された時の回答と大体同じ内容です。
理由
私はそれについてはハッキリと「NO」と答えています。そして、その理由は幾つかあります。
①人生設計を考えた時のリスク
私は何も全員が全員大学に進学しサラリーマンになる事を望んでいる訳で張りません。なんなら目的もなく大学に進学するくらいなら、高卒で職人になった方が人生としてはマシなんじゃないかなーと考えているからです。まぁそれは私自身が専門系の高校を出て20代前半で年収600万円以上を稼いでいたという経験があるからこその思考だとは思いますが。
ただ、そうはいっても大学進学をし社会に出てサラリーマン(主としては企業勤め)をする経験というのも、それはそれで役立つものです。
先ず大学については幾ら私がそう思うといったところで現実的には日本は学歴社会という事実があります。そして一般的なライフプランを考えた時には大卒という肩書は有効な期間が有るのも事実です。
そして社会に出てサラリーマンとして企業勤めをする。何故この経験が大事なのか。
大卒でいきなり地域おこし協力隊に入ったとします。基本的には受け入れてくれた地域は応援してくれますし、サポートもしてくれるでしょうから外的な問題はある程度何とかなります。しかし壁にぶつかった時や自分自身の内的な(心理的な)問題に直面した時に、立ち返る場所がないとそのまま心が潰されたり崩れたりするんじゃないかと考えるからです。
しかし、もしそこで社会に出て何かしらの企業勤めをした経験があれば、その時に色々と経験するはずなので多少はメンタル的に打たれ強くなっているでしょうから、少々の事では凹まないメンタルになっているからです!
というのは若干冗談(ただ、強ち嘘でもない)ですが、言いたいところとしては数年企業勤めをしていれば仕事で何かしらの実績を積んでいるはずなので、何かに直面した時にその時の何かを成し遂げたという気持ちが支えになるんじゃないかなーって考えるからです。これはあくまで私自身がそうってだけですが。
そして地域おこし協力隊を辞めて一般企業に勤めようとなった時に、自分がそういう働き方をしていなかった場合、普通に働くという事に対して絶対怖く感じると思うんですよね。地域おこし協力隊というのもある種特殊な働き方で、潰しの効かない仕事だと今の私がやりながら実際に感じているので。
ただ、地域おこし協力隊に来る前に企業勤めをしていれば、そういう事に対する不安は少ないと思うので、何かあった場合の心理的負担は少ないんじゃないかなーと思っています。
②社会人としての経験値が活きる時がある
これは①の延長になる話ですが、そういった実績や職歴が意外なところで地域おこし協力隊としての活動をする上での強みになる可能性が有るからです。
実際に私は前職は商社の営業職で、林業とは一切関係がなく活きる事のない仕事(スキル)だろうと考えていました。まぁ実際伐木・造材という場面では活きる事は一切無いですが🙃笑
ただ、林業体験やインターンで人を迎え入れる時であったり、他にも外部の人と話をする場面があったりする時は役立ってるなーとは思っています。やっぱりそれなりの場数を踏んでいるので、他の人に比べたら物怖じせずに人前で会話をする事が出来ますし、思考の言語化というところでも勝っている自信は有りますので。
そういった事から、本当に自分の過去の経験がいつどういった形で自分の支えになるかわからないので、協力隊に来る前に企業勤めをして何かしら自分の中で柱や強味になる物を見つけてからでも、協力隊に来るのは遅くないと思っています。
あとは、独自の人脈を築けているという点も社会人経験は役立ちます。
イベントの企画にしろ商品の企画開発にしろ、何かをしようとなった時に人脈もやはりポイントになってくるので、そこで地域外に何かしらの人脈があるというのは可能性の幅を広げられます。
そして強ち馬鹿に出来ないのが、社会人としての一般的な所作を身に着ける事が出来る点です。この点については林業現場ではなかなか学ぶ機会がないので、事前にある程度身に着けておいた方が無難だと思います。
③その思いは本物なのか
これはだいぶ抽象的で主観の入った話になります。
何か決断をしなければならない時は得てして勢いというものが必要ですが、何でもかんでも勢いで解決という訳にはいかないですよね。きっと誰しも勢いに任せてやって失敗した経験があるのではないでしょうか。
地域おこし協力隊をやるという決断も、向こう見ずな勢いだけで決めていい代物ではないと思っているんですよね。それはミッションが曖昧で抽象的であればあるほどです。例えば自分のミッションの様に”林業”という明確なテーマがあるなら、勢いで決断するという点においてはハードルはまだ低いと感じますが、そうでない場合は先ず無数に存在するテーマから取捨選択する必要が有り、それがまた経験値が低いと大変なんじゃないかと思っています。
だからこそ何かワンクッションを置く事で、自分の気持ちを確かめられるんじゃないかと思っています。本当に地域おこし協力隊として何かやりたいテーマがあるなら、何年経っても心の中の炎っていうのは燃え続けているはずなのでね。
あとがき
以上の理由で、私は大卒でいきなり地域おこし協力隊に入るのはあまりお勧めしていないです。
もちろん本人にどうしてもやりたい意思があるなら止めはしないですし、サポートできるところはしてあげたいと考えています。
じゃあどういった人が向いているのかと言うと・・・強いていうなれば、既にやるべき事が明確になっていて、大学在学中にある程度実績やバックボーンが出来上がっている人なんじゃないでしょうか。それでいて素直で謙虚である事。
ただ、そういう条件だとけっこうなスーパーマンになってしまうので、なかなか実際には存在しないんじゃないかと思います😅
ま、あくまで私見ですので意見の相違はあるでしょうし、何ならそうあるべきだと私は思っています。ただ、あくまで私はこう思うってだけです、はい🙄
最後になりますが、林業の自分が『どうして畜産に呼ばれるの?』と思われるかもしれませんが(現に自分がそう思っていたんですが)、その時呼ばれた理由としては『畜産云々ではなく、地域移住の生活と仕事について話してほしい』との事でした。
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