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気になるというか、面白い記事を見つけました。

タイトルは『山から考える流域治水――日本初、自伐型林業を治水に活かす日立市の挑戦』というもので、内容としては大まかに解釈すると小規模林業を営む自伐林家を地域の治水に活用するという事です。
記事に在る日立市は茨城県北部に在る都市で総合電機メーカー日立製作所の創業の地でもあります。私も横浜市に住んでいた頃に2度ツーリングでそっち方面に行った事が有りますが、1つは発電所巡り1つは水戸にサッカー観戦に行く予定で行きました。2回目の時は初冬という事もあって、名物のあんこう鍋も食べました。

そんな日立市で現在取り組んでいる『流域治水計画』についてですが、これは2021年に改正された流域治水関連法が密接に絡んでいる様で、それはどういう事かというと、これまでの治水政策というのは河川区域における堤防やダムの整備などを通じて河川管理者が行ってきましたが、改正後は流域全体(即ち山間部から平野部まで)で治水に取り組みましょうという風に変わった様です。
正直この法律に関しては私もこの記事で知ったくらいで中身を全然知らないので、これから勉強していこうかと思っています。
それはさておき、そこで日立市としては2023年の台風13号の被害を契機に流域治水計画を策定し、2024年3月に公表したようです。

※記事では24年3月に公表とありますが、資料は今年の2月になっていました。
その治水計画の中では概要であったり実際の被害であったり、治水計画の現状や課題それ等への対策が諸々記載されています。そしてその中で小規模林業を行う自伐型林家を育成し、彼らを治水対策の一環に組み込むという事です。
感想
このプロジェクトの面白いところというのは、治水対策というところに林業を巻き込み実際に明文化したというところで、それがけっこう画期的な取り組みに感じています。
森林の役割も最近は木材生産以外の水源涵養機能や土壌保全機能等も認識されており、林業政策もそういったところを重要視しています。ですが、結局それはあくまで林『業』という枠組みの中だけの話だけに感じています。
しかし日立市のプロジェクトはそれを業という枠組みだけに留まらせずに、もっと大きな治水対策という枠組みの中に組み込み、活用しようとしているんですよね。
小規模林家というのはその字の通り小さな林業でコストを掛けずに施業・生活をする林家ですが、林業という特性上収入は大変不安定なもので、林業以外にも何かしらやっている人が多数だと思います。そしてそれこそが林業に参入する人が少ない理由の要因の一つでもあります。
それをこのケースの様な形で自治体と連携する事で、小規模林家にとって一つのセーフティーネットになるのならば興味深いですよね。
もちろん小規模林家に任せるに当たっては良い面だけではなく、リスクも有ります。例えば作業道ですが、慣れない(経験値が低い)人間が作業道を作る事で山の形が変わり、それが原因で地面が崩壊する恐れもあるので注意が必要ですが、だからといって放置するとそれはそれで災害リスクは高まるのも事実です。他にも大小様々ありますがまぁその辺りはまた別の機会に書けばいいのでここでは一旦放置します。
いずれにせよこのプロジェクトの経過は引き続き追っていきたいと思います。
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