BAT1、2講習について

協力隊活動

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10月15日~17日の3日間、本山町で表題の講習が開催されていたので参加してきました。

因みにBATというのは『Basic Arborist Training』の略称で、どういった事かというとMRSによる登攀技術と安定した樹上移動および作業姿勢の基礎訓練及びハンドリギングによる枝おろしという説明になります。

って書いても今いちピンとこないかもしれませんね。

先ずMRSっていうのは私は昨年受講して取得した資格技術なのですが、レクリエーションで安全に木に登る技術みたいなものです。ただ、それは自身でロープで昇り降りする為のセッティングを行い、自身が昇降する為の技術なのですが、BATというのはその技術でもって樹上で刃物等を使用し仕事をする為の技術になります。なのでMRSとは必要とされる技術も装備も若干違ってきます。

そういった事から装備にかかる費用はけっこうな金額がしてしまうのですが(BATの場合は最低でも15万円位は必要と言ってました)、命には変えられないので道具はしっかりした物を使いましょう。ただ、今回は研修という事なので私はレンタルしました。しかしこれも限りがあって、レンタルはBAT2迄との話でした。それ以上の資格になると自身で管理している道具を使用と明記されているみたいですし、まぁそもそもそこまで取得するならば自分で仕事をしている人でしょうから、当然ちゃ当然かもしれません。

閑話休題。

さて、今回の参加者は12名、講師陣は2名とアシスタント5名で総勢20人弱でした。そしてその中にはBATにしろMRSにしろ今回が初めての参加者が2名いたので、先ずはロープで登る為のシステムの説明だったり、結び方の説明なんかというところから始まりました。ただ、今回の参加者は優秀な方ばかりでしたので、初めてでも直ぐに結び方を覚えてシステムを作る事が出来ていました。自分は昨年受講したMRSの時には丸2日かけてやっと覚えた身なので、傍から見ていて凄いなーと感じます😲

初日はそんな感じで先ずは基本となる登攀システム作り及び撤収というところで、システムの種類や道具の説明にそれらの扱い方法や方法についての解説をやりつつ、スローラインの練習も行いました。ランヤードの作り方もここで習いました。

そして初日は日中に実技をやって、夜から座学を行いました。

こう書くと日中一杯体を動かして、夜から勉強なんて眠くて身に入らないのでは?という疑問を持たれると思いますが、ぶっちゃけその通りです(笑)。座学の時間として3時間位あったのですが(18時~21時位)、疲れたし夕飯食べたばかりだしという事で個人的には最初の暫くは睡魔との戦いでしたが、途中から樹上作業での事故例という事で実際の事故や怪我の映像を画像と動画で見せてくれるのですが、まぁこれがなかなかに衝撃映像で寒気のするものが多かったです。講師はこれでもまだソフトな方だよと笑っていましたが、これよりハードっていうのは考えたくもない位の映像で、その辺りから良くも悪くも目が覚めました😭

内容的にはMRSと重複するところもありましたが、道具を見ながら使えるもの使えないものの判別を行ったりしたりもして面白かったです。

2日目は早々に個々人でシステム作りを行い登攀を行ったところで、地上で疑似枝を使ったリムウォークの練習を行い、次にリムウォーク(枝上の移動)の実技練習となりますが、これについては資格の関係上講師と生徒一人のマンツーマン指導になります。

因みに私が最初に実技指導を受ける事になったんですが、これには理由があって単純に私がまだスローラインすら掛けられていなかったからです🙃

頑張ってロープを登って結構高い場所まで来ると講師のうじやんがニヤニヤしながら待っており、さぁ実技開始!という流れですが、これが本当に難しい😭

勿論この為に地上で練習を行ったのですが、いざ実際にやってみるとなるとマジで難しい!本当に難しい!!何が難しいと言われたら総じて全部が難しいという話なんですが(笑)、一番はバランスに感じました。地上での練習は地面に枝を置いて実際にそれを樹上の枝と見立てての練習になるのですが、いってもやっぱり地上に在るので力のかかり具合が樹上と違う訳で、そこが地上でやった時との一番のギャップを生んでいるのかなとも思ったり。リムウォークなので歩くんですけれど、地上での歩くと違って体重を枝に預けつつ移動するって言った方が良いのかなとも思ったり。

で、色々と言われながら必死にリムウォークで移動すると今度はランヤードを使っての固定になるのですが、これもイメージとは違っていて実際に使うとなるとダメ出しの連続です。何がダメかというと、ランヤードに頼った固定をしてしまうと、ランヤードを外して移動する際に体が動いてしまって危険という事なんですね。でも、やっぱりビビッてランヤードに頼った固定や移動を無意識にしてしまうので、そこの意識が本当に難しかったです。

ちなみに私がやっている最中にお昼になったので自分以外の参加者は午後からになったのですが、午後からは自分がやっていた木ではなくなり、しかも低い位置(たぶん3/5位の高さ)での練習になっていました。そういった意味では自分は美味しい経験を積めたと思っています。

午後からは一人ずつリムウォークの練習だったので、それ以外は個人練習という形で各々が好きな事をやっていたのですが、私はせっかくなのでリムウォークの練習をやっていました。上手くで来ていたかはわかりませんが、言われた事を意識しながらやっていたつもりなので、午前よりは体重移動や体を預ける技術なんかというところで、上手くできたんではないかなと感じています。

3日目はBAT2の講習になります。

BAT2はリギング技術の基本となる知識と技術を身に着けるという内容なのですが、そもそもリギングって何ぞや?という疑問もあるかと思います。リギングについては樹上で切った枝を安全にコントロールして地上に降ろすという作業になります。

そういった訳で午前中はリギングの基本的なシステムを学んだり、リギングの際に使う各種ギア(道具)の説明や実際の使い方、その他には小道具を用いて力学への理解を深めるといった内容を行いました。

午後はチーム分けを行い、実際に樹上作業を行うような形でワークプランの作成とチーム連携の習熟を深めるというテーマで実習を行いました。3人寄れば文殊の知恵とは言ったものですが、ぶっちゃけ全員忘れているような事があったり(Tree inspect等)、制限時間内に作業を行えなかったりと、自分のいたチームはまぁハッキリ言って大変お粗末でした、はい。

ただ、練習ってのは問題点を炙り出す為の工程だと思っているので、そういった意味ではある意味良かったのかもしれません(笑)。問題しかないという事を実感できたわけですし、ポジティブに受け止めなければなりません。

以上の様な感じで3日間を終える事が出来ました。

あとがき

3日間通しで研修を受けた感想としては、兎に角疲れたの一言です(笑)。これはもう単純に体力的な疲労もあるのですが(3日間ロープをずっと昇り降りする訳ですし)、考える事や理解するべき事が多いので頭の疲労も多分にあります。

ただ、アーボリストの技術というのはそれだけでも秀でた技術になりますし、ロープワークやリギング技術等については樹上作業を伴わない通常の作業現場でも流用できる技術でもありますし、そういった技術に関してはしっかり習得できるように普段から練習を行っていかねばならないと感じた3日間でした。

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