Forestrise2024に行ってきました

協力隊活動

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9/18~9/20の期間、東京の国際展示場で《Forestrise2024 第4回次世代森林産業展》という林業関係の展示会が開催されていたので、その視察に出掛けてきました。 

そもそも皆さんはForestriseという展示会はご存知でしょうか?林業の展示会というと『森林・林業・環境機械展示会(以下機械展示会)』という展示会が恐らく一番有名なのかなと思いますが、その機会展示会とどう違うのか私自身が感じた感覚で述べますと機械展示会が機械そのもののハードの展示会に対して、Forestriseは副題の次世代とある通りにソフトの展示会というイメージでしょうか。それはどういう事なのかというと、昨今話題になっているスマート林業だとか森林DXだとかといったところに強味を持った企業ブースを多く見かけたからです。航空機や衛星データ、ドローンといったものを活用し広い範囲での森林データ(境界や林分等)を作成するものや、立木1本ずつに対しての狭い範囲でのデータを取得・活用するシステムだったりするもの、スマホで計測やら色々と出来るシステム等が主立っていましたね。

その他には林業や森林のコンサルタント的な業務のブースや林業メディアのブースがあったりするのもこの展示会ならではないのではないでしょうか。

そして勿論そういったソフトだけのブースしかない訳でなく、機械や道具の展示もありました。ただ、さすがに場所が場所なだけに機械実物を会場に展示するのは難しく、ましてや操作をするというのはほぼ不可能に近いので、アタッチメント部分だけを置いたり(例:徳光建機(株))だとかVRで操作を体験してもらうだとか(例:イワフジ工業(株))といった工夫をしていた企業のブースもありました。林業向けドローンの展示をしているところは実機を展示しているブースが有ったり(例:東洋エンジニア(株))もしました。

その中でも個人的に自分の興味を引いたのは矢崎総業(株)の林業カーです。

これは何かというと林業従事者に特化した車というべきなのでしょうか。詳細は以下の会場に有ったカタログの写真を見ていただくのがわかりますので省きますが、あったら助かるという機能が満載の車両となっております。そしてこのカタログには掲載されていないですが、山の中では携帯の電波が届かないといった問題がしばしば(いや、しょっちゅう?)発生しますが、その対策としてStarlinkのアンテナを装備出来たり(Starlinkとはイーロン・マスク氏のSpaceX社が提供する衛星を用いたブロードバンドサービスで、今まで通信に難があった場所でもこれを使えば通信し易くなるというシステム。ウクライナ戦争でも話題になりました)、その他にも色々とオプションがあるそうです。

因みにこの車両の開発には梼原町のKirecubも関わっており、その縁から車両の存在は聞いていたものの見た事はなかったんですが、今回こうやって実物を拝見できたのは大変に有難かったです。そして近日中にその梼原町に納入されるらしいので、機会が有れば実際に稼働しているところも見に行きたいと思います。

他にもパワードスーツみたいな(株)イノフィスの装置だったり、自動枝打ち機のイー・バレイ(株)、やすりや害虫対策グッズの(有)高芝ムギネ製作所、自分も普段の活動で使っているロープを購入させていただいている(有)ODSK、空中消火設備の(株)ファイテックといった、面白いだったり普段お世話になっている企業のブースもありました。

そうそう、オーストリアの企業ブースもありました。ただ、ここはビビッて遠目で眺める事しか出来なかったのが残念です😔

そしてForestriseでは開催中は毎日日替わりでセミナーが開催されているのですが、私が訪れた19日(木曜日)の午後は

13時~14時 民有林管理に対し市町村はどこまでの施策がやれるのか(豊田市 小山 剛氏)

15時~16時 国内における森林投資のモデル事例(デロイトトーマツ 鈴木 秀明氏)

以上のセミナーが開催されていたので、それも参加してきました。

13時台のセミナーは、豊田市がどのようにして林地の集約化(団地化)を進められたのかという内容についてのセミナーで、現在の自分とは直接的な関わりは無さそうな話ではあるのですが、後学の為に参加してみました。

15時台のセミナーも今の自分とは直接的な関係性は低い話ではあるのですが、森林投資とは森林の価値の向上と密接な関係があると感じたので、これも後学の為に参加してみました。

あとがき

今回初めて林業関係の展示会を視察出来たのは非常に良い勉強になりました。

それは林業もスマート化やITにDXが最近は特に叫ばれているところで、現況を踏まえて実際に今の林業のスマート化がどれだけの位置にいるのかを知る事が出来たからです。そして感じた事は思いの外ソフト面での省力化は進んでいるのではないかという事です。

林業をやる上で障害になるのは土地の境界が曖昧な事なのですが、今回出展されていたシステムを上手く活用すればそういった障害は比較的簡単に解決するのではないのでしょうか。

ただ、それと同時に課題に感じた事も幾つかありました。

その一つはドローンにしろOWLにしろ個人で所有するにはメリットが薄い事。

組合や事業体規模であるならば上手く活用すればある程度減価償却的な意味で負担が少なくできると思うのですが、個人や小規模団体で所有・活用するにはちょっと負担が重いのではないのではないかという事。その機器の汎用性が高く林業の広い範囲で活躍が出来る、もしくは高い専門性が有り高単価の仕事を受けられるor単価は並みだがニッチ市場で仕事が途切れないといった条件が有る、もしくは案件を自分で起こす事が出来るならメリットは青天井ですが、正直私にはそこまでの需要が想像出来ないので見送ります。

そして考えるのが林業に求められるスマート化とはどういった事なのか。

ん~、まだまだ考える事がいっぱいですね。

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