地域おこし協力隊勉強会(林業担当)に参加してきました

協力隊活動

まえがき

今回の勉強会は高知県の森づくり推進課が主催したもので、内容としては現役の地域おこし協力隊の隊員が業務外でどういった活動をしているかを本山と梼原の協力隊員が発表するといったものでした。

参加者としては県内の地域おこし協力隊の他に、市町の協力隊採用担当の職員や県林業事務所の職員が参加していました。

最初は主催者側の挨拶と、今回の勉強会は入隊して日が浅い人向けという裏テーマもあった様で林業の仕事についての紹介もありました。

というのも、紹介の中で林業大学の短期研修の案内なんかも入っていましたのでね。

県としても林業は重要な産業として認識しているようでこれからも補助金等で支援していきたいと話をしていました。

本山町協力隊の話

県の話が終わったら、次は本山町の地域おこし協力隊で活動されている大岡氏が登壇されました。

大岡氏は協力隊入隊以前は岡山県にあるコンビナート製鉄会社でエンジニアや現場監督を勤められた方で、今年で3年目になる現役隊員の方です。そして現在は協力隊として活動する傍ら、24年1月からは個人事業主として登録し活動されている事から今回プレゼンターとして登壇されました。

では、大岡氏がどういった活動をされているのかというと、本山町の指定管理施設の草刈りでしたり、林産物の原木造材やウラジロガシの収穫といった林業と直接関わりのある活動の他に、個人の趣味を活かしたアクティビティーガイドもされているそうです。その趣味というのはカヌーやSUP、そしてサイクリングだとの事で、それらの資格を取得してガイドをされているとの事です。

また今後の展望としては地産地消かつ土壌返還の家という面白い構想の住宅づくりをしてみたいだとか、本山町の森林・林業ビジョンとして策定されている『土佐本山コンパクトフォレスト構想(通称:なないろの森)』に沿った、アクティビティの整備等をしていきたいというお話をされました。

また、事業とは別の話のところで本山の協力隊としての取り組みとして『安全に強い人づくり』という事にも取り組んでいるとの話もされました。

それはどういう事なのかといいますと、林業というのはご存知の通りとにかく労災が発生し易い職業で(令和2年における全産業での労災発生率は平均で2.3%のところが林業は24.7%。高知県の林業に限って言えば43.9%というとんでもない数値)、如何に労災の発生・要因を減らすかを業界全体の問題として取り組まなければならない状況で実際に考え実行している事業体や個人も多くいるのですが、本山町の協力隊としてもそこにフォーカスして取り組んでいる様です。

実際に行っている事として、作業計画書、ヒヤリハット報告書、危険予知活動表、リスクアセスメント活動表の各種書類の作成を行い、意識や課題の共有を行っているとの話です。

たぶんこれらの言葉は林業では聞きなじみの少ない言葉ではあるかもしれませんが、工場や工事現場なんかではよく聞く言葉かもしれませんね。実際に昔私が働いていた某自動車メーカーの工場だったり内航船の運航現場でしたり、そういった場所では耳にしていましたので。

以上が大岡氏のお話になります。

梼原町協力隊の話

続いては梼原町協力隊の下村氏、長谷川氏が登壇しプレゼンをされました。

こちらのお二人も地域おこし協力隊として活動する傍ら、2022年にKIRecubという組織を立ち上げて活躍されている方々です。

因みにこちらのお二人とは個人的に林業大学校で講習が被った事が何回かあり、その際に連絡先を交換して以降は何回かやり取りをする程度の親交はあります。

さて、このお二方(正確にはKIRecub)の取り組まれている活動についてですが、こちらも多岐に渡っています。

伐倒造材搬出といった一般的な素材生産業は勿論ですが、それ以外のところで造林・育林業であったり、企業や地域を巻き込んだ苗木生産業(地域の種から育てた苗木)や、教育事業(植栽イベントや苗木園を活用したイベント)、未利用材活動事業(アロマ製品や木工製品)といった事業を展開しています。

その他には梼原町と縁のある県外事業者とのカンファレンス等も行っている様です。

あとがき

正直言って梼原町の協力隊の活動についてはSNSで追っていますし、個人的なやり取りの中で聞いてはいたものの、当然完全には理解や把握はしていませんでした。

そして今回こうやってしっかり資料を提示し話を聞かせてもらった感想としては羨ましいし感嘆ものだし、何より悔しい気持ちで一杯です(笑)。何が悔しいかって、自分が漠然と考えていて今後やろうと思っていた事に取り組まれていたって事なんですよね。しかもここまで完璧な資料作りやビジョンを出されてしまったら本当に『参った!』と言う他ないです。

ただ、御蔭で自分が漠然と描いていた事についての思考がクリアになって目的がある程度鮮明になりましたし、先に道を付けていてくれている事は後発の自分にとっても一つの指針になって今後の参考になるというメリットはあるので、今後は彼らの足跡をトレースすると同時に、自分が活動をしている地域の特色を活かしてKIRecubとの差別化を上手く図っていきたいと考えております。

そして本山にしても梼原にしても共通している事は一つはコミュニケーションをとる事、一つはしっかり在任期間中に卒隊後を描いた行動をとっている事です。

コミュニケーションについては協力隊内部だけではなくって、役場だったり、組合だったり、地域住民であったり、他地域の人達だったりと、本当に幅広く様々な人にコミュニケーションをとっている事がわかります。これは自分も以前の仕事で色々経験しているのでわかりますが、何かあった時にその人を頼るって事が出来るんですよね。そして普段から何かしらやり取りをしていれば相談もし易いですしね。

卒隊後の活動については今更の事ではありますが、皆さんの考え方も大筋として自分の今の考えに近いものなので、自分も残り2年数か月の期間を使って卒隊後をイメージした活動をしていこうと考えています。

そういった意味でも刺激を受けて大変参考になった勉強会でした。また次回が有るそうなので、それにも参加したいと考えてます。

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